ボズの日記(Diary of VOZ)

VOZ(声)。ついついアタマの声に騙されてココロの声を聞き逃してしまいがちな毎日ですが、ダレカの声にも耳を傾けながら書いていきたいと思います

「運の方程式」について考えてみました

 田無神社は五龍神が祀られていることで有名ですが、少し前の日曜日にうちの奥さんが田無に行ったついでに寄ろうとしたら、神社の外までとんでもない行列ができていてあきらめて帰ってきたことがありました。

 辰年ということでたくさんの人たちが開運を願いに集まったんでしょうね。

 僕も神社に行くのが好きですし、音楽業界でずいぶんと長く仕事をしているで、”運”というものにはすごく興味があります。音楽や芸能の仕事は本当に浮き沈みが激しく、運の影響がとりわけはっきりと表れる世界のような気もします。関係者もそれを実感しているのでしょう、アーティストやクリエイターだけじゃなく、大きな事務所、特に長く続いているところほどお詣りやお祓いをきちんとやったり、積極的に風水を取り入れたりしているという印象があります。

 僕が今までやってきた仕事の中で一番長い期間やってきたのは作曲家の人たちをサポートするもので、ミリオンセラーや大ヒットを持つ人たちの担当もやりましたし、逆に若い無名の作曲家の卵をデモテープから発掘して育成する仕事もずいぶんやってきました。アーティストのオーディションの審査員も結構やりました。

 たくさんの作曲家の卵たちやアーティスト志望の人たちのキャリアの”明暗”を見続けてきて、確かに”運”というものはあるんだなと思いました。もちろん、”運”を必ずつかめる方法などはありませんが、運をつかんでうまく波に乗って行った人には何か共通するものがあるようにも思えました。

 音楽は才能やセンスが問われる世界ですが、あるレベルまでいくと、そこからは本人の気持ちの持ち方やスタンス、そして行動の仕方でかなり大きく変わる、とそんな気がするんですよね。

 ”運”を引き寄せやすいタイプ、と言い換えてもいいのかもしれません。

 

 鈴木祐さんが書かれた『運の方程式』という本では<運をつかむ確率を上げる方程>を以下のように表現しています。

 

幸運=(行動 × 多様 + 察知)× 回復

 

*行動 × 多様 とは チャレンジの回数を増やし かつ 同じチャレンジを繰り返すのではなくバリエーションも増やすこと

*察知 とは、身の回りで起こる小さな変化に気づく能力 観察すること

*回復 とは 失敗、挫折の痛みからすみやかに抜け出し、再び新たなチャレンジに挑めるメンタリティのこと

 

 確かに僕が音楽の仕事を通じて感じてきたことと重なる部分が多いです。

<なんでもチャレンジしてへこたれない人>は確かに最強です。僕は真逆で打たれ弱くてすぐへこたれるタイプだったので、そういうヤツが羨ましくてしょうがなかったですが(苦笑。

 能力もセンスもあるのに、自分の好みにこだわりがあり過ぎてチャレンジする回数が少ない人と、まあまあの能力だけどトライする数がすごく多い人では、後者の方が結果につながっていました。

 そこに<察知>、ひとりよがりでむやみやたらにトライするんじゃなく相手の反応を聞きながら自分なりに修正できる能力が加われば、確かに精度は上がるでしょう。

 ひとりの人間の力なんてたかが知れていて、自力だけで勝負できる人は何十年の一人の天才レベルの人でしょう。

 僕が見てきた<運をつかんだ人>は他の人の力もうまく味方につけてました。そして仕事を積み重ねながら何かを吸収していって自分の能力をより開花させていってました。

 スタート地点から<自分で自分のことをこうだと決めつけてしまう>という姿勢が一番運を遠ざけるような気が僕にはします。これは僕自身の反省点でもあるのですけど。。

 

 そしてこの方程式をより成功に近づけるために『運の方程式』の作者の鈴木さんは、「好奇心」コミュ力が必要だと言っています。

 「好奇心」こそ、いろんなチャレンジを繰り返すことを可能にする動力であって、予期せぬ幸運の大半は他者からもたらせるので、薄く広い人間関係が必要。そのためには「コミュ力」が大事ということです。

 しかし「好奇心」も「コミュ力」も生まれ持った性格じゃないの?と思ってしまうのですが、それも、「好奇心」があるフリをして行動をする、「コミュ力」の高い人の行動を真似る、ことを続けていくことでも、いつの間にか自分の中に「好奇心」と「コミュ力」を「インストール」できてしまう そうなんです。

 

 また、ただいろんなトライをするだけではダメで

「幅広い実験」と「一点集中」を交互に繰り返すと「ホットストリーク」(人生の確変状態)の発生確率が上がる  

 とも書いてあります。

 いろんなことをやって、そのうち何か一つが”あたった”ら、そこに全精力を注ぎ込む。そして、一点集中したことがパワーダウンしてしまったら、新たに幅広いチャレンジをスタートさせる、その繰り返しがいい、と。

 また、幸運の発生率を上げるには行動の量を増やすしかなくて、行動の量を増やせば自然と不運の量も増えるので、失敗からの回復力というのが大事になってきて、そんな時にはこんな科学者的な考え方をしてみるのがいいと作者は提案しています。

 実験の失敗とは、新しく得られたデータのひとつでしかない

 失敗した時の回復力は大事ですよね。僕みたいな打たれ弱い人間は、とりあえず「いい勉強になったなあ」とか自分に言い聞かせながら”回復したフリ”をしてみることから始めるのがいいのかも知れないですね。