僕は尺八についてはまったく知識がなかったのですが、そのルーツには「禅」が深く関わってるそうなんです。
時代劇の好きな方は虚無僧(こむそう)ってご存知ですよね。顔まですっぽり隠れる深い編笠をかぶっているお坊さん。尺八は江戸時代には禅の宗派普化宗の虚無僧(こむそう)だけが持つことを許され、その曲は全国の禅寺に口伝で受け継がれてきたそうです。
その禅僧たちが悟りを開くために尺八を吹きながらする修行を「吹禅(すいぜん)」と呼びそうですが、それを実践し探究されている尺八奏者が工藤煉山(れんざん)さんです。彼は箱根をベースに鎌倉の禅寺で定期的に尺八教室も行っています。僕は箱根の移動式カフェ「Cafe Ryusenkei」の合羅さんの紹介で、工藤さんと知り合いました。
工藤さんは、「呼吸法」についても深く研究されていて、ワークショップも行っています。僕も少し教わったのですが、一般的に教わるような腹式呼吸とはまた少し違ったやり方でした。
尺八と禅、というとかなりストイックな気難しそうな印象を持つ人もいるかと思いますが、お会いすると物腰がすごく柔らかくフレンドリーで、中学生時代はTMネットワークやYMOに夢中だったと語っていました。YMOから坂本龍一さんのファンになり、坂本さんの出身校ということで藝大にすすみ、坂本さんと念願の共演も果たしているんですね。
それから、昨年大きな話題となった映画「国宝」のサントラにも参加しています。
そんな工藤さんが昨年一年近くかけてアルバムを制作していました。その過程で時々僕は感想や意見を求められて、ずっとポップス畑で仕事をしていた僕はほとんど役には立たなかったのですが、一人のリスナーとしてざっくりした(苦笑)感想を戻させてもらったりしました。
アルバムは、禅の心をベースにし、細かな息遣いも感じるような短編的な楽曲群を収めた作品集「IS-BE」と夏の自然音の中で即興的な長尺の演奏を収めた「Noneness」の2枚。
「IS-BE」は映画「国宝」の音楽を手がけた原摩利彦さんが、「Noneness」は鎌倉、円覚寺の横田南嶺菅長がコメントを寄せています。
いろんなことで、心の波長が乱れた時に目を閉じて聴くといいんですよね。
ご興味のある方はぜひこちらからご視聴いただけます。

