ボズの日記(Diary of VOZ)

VOZ(声)。ついついアタマの声に騙されてココロの声を聞き逃してしまいがちな毎日ですが、ダレカの声にも耳を傾けながら書いていきたいと思います

”おっさん”のための韓国エンタメ(1)

 コロナのステイ・ホーム期間中に僕がハマったものに”韓国エンタメ”があります。きっかけは「梨泰院クラス」と「愛の不時着」ですから、僕って本当に”よくいるタイプ”なんですw。

 その後、ドラマをいくつか見てどんどん沼にハマっていったわけですが、ドラマって1作20話くらいあって長いので、途中で映画にシフトしたんですね。そこで、ちょっと研究心がわいてきて、Wikipediaの「韓国映画歴代興行収入(観客動員数)TOP100」というのを参考に、配信サイトで観れるものを片っ端から観ました。配信サイトで観れないものはDVDをレンタルしたり、ベスト100中、80本くらいは観たんじゃないでしょうか(こういうハマり方は”よくいるタイプ”じゃないかもですね(苦笑)。

ja.wikipedia.org

 それで分かったんですけど、日本じゃ<韓国エンタメ=若いイケメン>じゃないですか。ですけど、韓国国内で大ヒットした映画はほとんど<おっさん俳優>たちが支配(?)していたんです

 今まで日本では韓国映画といえば「猟奇的な彼女」とか「私の頭の中の消しゴム」とか、若者の恋愛モノばかりしか注目されてきませんでしたが、現地、韓国国内では”おっさん映画”がバンバン、ヒットしていたわけです。

 その中でも「パラサイト 半地下の家族」や「ベイビー・ブローカー」のソン・ガンホ(57)がなんと言っても”キング・オブ・おっさん俳優”の座に君臨していると思いますが、ソン・ガンホに続いて主演作の累計観客動員が1億人を超えたというファン・ジョンミン(53)、それに続いて達成したハ・ジョンウ(45)といった国民的俳優たちに共通するのは、決してイケメンじゃないということです。

 日本でも役所広司渡辺謙佐藤浩市阿部寛とかビシッと主役を張る素晴らしい<おっさん俳優>はいますが、やっぱりイケメンですよね。

 もちろん、韓国でもイケメンおっさん俳優はいます。かつて日本でヨン様に次ぐ人気を誇ったイ・ビョンホン(近年の彼の演技の充実ぶりは素晴らしいです。特に「私たちのブルース」は泣きました)や「私の頭の中の消しゴム」のチョン・ウソン(50)、昨年末に自ら命を経ってしまったイ・ソンギュン(48)(「マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん」は号泣しました、、)とか。

 でも、”演技派”でかつ主役を張る人はまだまだいて、「オールド・ボーイ」、「バトル・オーシャン 海上決戦」のチェ・ミンシク(61)、映画ごとに別人になり切る、韓国のデニーロ(?)ソル・ギョング(56)、「10人の泥棒たち」や「モガディッシュ〜脱出までの14日間」のキム・ユンソク、あと、リュ・スンリョン(53)なんて人は歴代1位の映画「バトル・オーシャン 海上決戦」では準主役、歴代2位の傑作コメディ「エクストリーム・ジョブ」と8位で彼が知的障害者を熱演した「7番房の奇跡」では主役をやっているんですが、日本ではそんなに知られていないですよね。

 あとアクション系では「犯罪都市」シリーズのマ・ドンソク(52)の主演作はどれも当たっていますね。

 渋めでは、準主役が多かったチョ・ジヌン(47)(「毒戦BELIEVER」「完璧な他人」) バイ・プレイヤーだったイ・ソンミン(55)(「復讐の記憶」)なんかも主役をやるようになり、<主役級おっさん俳優>の層は分厚くなってゆくばかりです。

 

 ソン・ガンホとかファン・ジョンミンなんか見ていても、憧れのスターというより<韓国の一般市民の代表>みたいな存在でもあるような気がするんですよね。だからストーリーにも気持ちも入り込みやすいのかも。韓国国民じゃないのではっきりわかりませんがw。

 今の日本の俳優たちはすごく洗練されてきているんでしょうね、その作品の中の役にすうっと自然にハマって魅せるタイプが多い気がします。

 韓国の方は”個”がもうちょっと主張されているというか、僕なんか昔の70年代の東映映画(やくざ、アクションもの)をちょっと思い出したりもしました。個性的でギラギラしたエネルギーを持った俳優たちが全身で熱演する感じというか。

 幼い頃や十代の頃に接した日本の映画やドラマを思い出させるニオイのようなものがあったのも、僕が韓国エンタメにハマってしまった理由だったのかな、と思います。